【1月22日 CNS】中国工業情報化部(MIIT)は、電動自転車の新たな規格を定めた「電動自転車安全技術規範」が公開されたと、公式サイトで発表した。「規範」は一部の技術指標について調整を行ったとし、電動自転車が出せる速度の上限は時速20キロから25キロへ、電池を含む車両重量は40キロから55キロに、モーター出力は240ワットから400ワットに修正された。

 中国は電動自転車の生産量、販売台数ともに世界一だ。国内の保有台数は約2億台に上り、年間生産量は3000万台を超える。最近の傾向は、車体が徐々に大きく、重く、スピードもより速くなり、現行の「電動自転車通用技術条件」で規定されている条件に収まらない車両が増えてきていた。現行の「条件」が定める速度の上限は時速20キロだが、市場に出回っている車両の中には時速40キロまで出るものもあり、重量は70キロを超えるものもある。

 もはやバイクに近い機能を持つ電動自転車だが、交通事故が発生した場合、その分だけ被害も大きくなる。統計によると2013~17年に全国で発生した電動自転車による死傷事故は5万6200件で、死者8431人、けが人6万3500人、経済的損失は1億1100万元(約19億1973万円)に上った。

 工業情報化部、公安部などの関連部門は、国内の電動自転車業界の発展と合わせ、消費者の生命と財産の安全を確保するため、現行の「条件」の内容を再検討し、新たに「規範」を公開するに至った。

 新たな「規範」が発表されてから実施するまでの移行期間は半年から1年間とし、この期間に企業は新商品の研究開発、生産ラインの調整や在庫商品の処分を行うこととしている。正式な発表日程は未定だ。(c)CNS/JCM/AFPBB News