■「養女が母親の人生から私を抹消しようとしている」

 ランズマン氏は、自身の死後、フランスの法律の下でこれら書簡の著作権を譲渡されることになる養女のシルビー・ルボン・ド・ボーボワール(Sylvie Le Bon de Beauvoir)氏が母親の人生から同氏を抹消しようとしていると非難。そうされることを恐れ、歴史家に参照してもらえるようにエール大学に書簡を売却したと語った。ルボン氏は、ボーボワールの最後の恋人で遺作管理者でもある。

 ランズマン氏は、ルボン氏が「ボーボワールのすべての書簡を出版する計画を立て、その中から自分との間でやりとりされたものを除こう」としていることを知るまでは、これらの書簡を公にするつもりは全くなかったと述べている。

 ルモンド紙に掲載された、ボーボワールがオランダ・アムステルダムからランズマン氏に送った手紙には、「私のいとしい子、あなたは私にとって初めての絶対的愛です。(人生で)ただ一つのもの、あるいは一度も生まれないものかもしれません」「自分がこんなことを言うようになるとは思ってもみなかったけれど、あなたに会うと自然に口をついて出ます。あなたを崇拝しています。全身全霊で。あなたは私の運命であり、永遠であり、人生そのものです」と記されている。(c)AFP/Fiachra GIBBONS