【1月22日 AFP】アフガニスタンの首都カブールの高級ホテルで20日夜に起きた襲撃事件では、死者が18人に上り、その大半が外国人だった。銃撃犯らは、ノルウェー部隊の支援を受けたアフガン治安部隊との12時間にわたる銃撃戦の末殺害されたが、その間おびえ切った宿泊客らは必死の思いで脱出を試みていた。

 現場は、地元系高級ホテルの「インターコンチネンタル・カブール(Intercontinental Kabul)」で、反政府武装勢力タリバン(Taliban)が犯行声明を出した。

 ウクライナのパブロ・クレムキン(Pavlo Klimkin)外相はツイッター(Twitter)への投稿で、犠牲者の中にウクライナ人6人が含まれていたと明らかにした。

 一夜明けて翌21日、事件の制圧から数時間後に、アフガン内務省報道官がニュース専門局のトロニュース(Tolo News)に対し、死者のうち14人が外国人と発表したものの、国籍は明かしていなかった。

■「私のために祈って。死ぬかもしれない」

 夜間に発生したこの襲撃の最中、同ホテルに宿泊していたアフガンテレコム(Afghan Telecom)幹部のアジズ・タイエブ(Aziz Tayeb)さんは、「私のために祈ってほしい。死ぬかもしれない」とフェイスブック(Facebook)に書き込んでいた。

 タイエブさんは、重装備の6人組がホテルに押し入り、おびえた客や従業員に銃弾を浴びせ始めたのを見て、柱の陰に身を隠したという。

 事件終結から数時間後、AFPの取材に応じたタイエブさんは、おぞましい経験を振り返った。「ついさっきまで楽しそうにしていた人々が、その1秒後に気が触れたかのように叫び、逃げ惑う様子を目にした。何人かは、銃弾に当たって倒れた」

 6階建ての同ホテルの5階で立ち往生していたというタイエブさんの同僚の一人は、まるで食肉処理場のように血だらけの場所もあったと語ったという。

 タイエブさんと友人数人はホテルの屋外プール付近に何とか逃げ込んだが、その際も数メートル先で起こっている恐怖の襲撃に耳を澄ませていたという。1時間後に到着した治安部隊と連絡がつき、ついにホテルから脱出することができた。

 同僚らの安否の知らせを待つ間、タイエブさんはフェイスブックに再度投稿。無事を祈ってくれた友人らに謝意を伝え、「この国で生きていられるのは、単なる偶然にすぎない」と記した。(c)AFP