【1月21日 AFP】インドネシア・アチェ(Aceh)州の州都バンダアチェ(Banda Aceh)で19日、酒類を販売してシャリア(イスラム法)に違反したキリスト教徒の男性に公開むち打ち刑が執行された。

 子どもたちを含む大勢の見物人たちがやじを飛ばす中、モスク前に設置された執行台の上で男性は、覆面姿の執行官に背中をたたかれると、痛みで顔をゆがめた。

 男性は違法に酒類を販売した罪で昨年10月に逮捕され、むち打ち36回の判決を言い渡されていた。

 金曜礼拝の後に行われた公開むち打ちは、この男性を含め、売春あっせん、売春、賭博などの罪で10人に刑が執行された。

 そのうち未婚のカップルは、体を近付け過ぎたことが禁止されている婚前交渉の前置きとみなされ、それぞれ20回むち打たれた。

 スマトラ(Sumatra)島北部に位置するアチェ州では、長年の独立運動の鎮静化を目指すインドネシア政府との2001年の合意によって一定の自治権を認められて以来、シャリアが適用されているが、公開むち打ち刑を受けた非イスラム教徒は今回を含めて3人だけだという。

 アチェ州の住民500万人の約98%はイスラム教徒であり、世界最大のイスラム教徒人口を抱えるインドネシアでも、イスラム法が施行されているのはアチェ州だけとなっている。(c)AFP