【1月21日 AFP】マイク・ペンス(Mike Pence)米副大統領は20日、中東歴訪の最初の訪問国エジプトでアブデルファタハ・シシ(Abdel Fattah al-Sisi)大統領と会談した。

 当初、ペンス氏の中東歴訪は昨年12月に予定されていたが、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領がエルサレム(Jerusalem)をイスラエルの首都と認定し米国大使館をエルサレムに移すと決定したことに猛反発したアラブ諸国がペンス氏との会談予定を相次いでキャンセルしため延期されていた。

 エジプトの首都カイロで20日に行われたペンス氏とシシ氏の会談は、米国の対エジプト支援およびシナイ半島(Sinai Peninsula)で続くイスラム過激派の攻撃などの治安問題が中心となるとみられていたが、エジプト大統領府の発表によるとエルサレム問題も議題にあがった。シシ氏は「2国家共存」による解決と「東エルサレムを首都とした独立国家を樹立するパレスチナ人の権利」をエジプトは支持すると強調したという。

 一方、ペンス氏はシシ氏に対し、現在のエジプトと米国の関係はトランプ氏とシシ氏両首脳の高い指導力によって「かつてなく強固なものとなった」と述べた。また、モスク(イスラム礼拝所)やキリスト教の教会などを標的としたイスラム過激派の攻撃による犠牲者への弔意を示すとともに「エジプトにおけるテロリズムとの戦いでも米国はエジプトに協力していく」と表明した。

 シシ氏との会談を終えたペンス氏は同日中にヨルダンの首都アンマンに移動。翌21日にアブドラ・ビン・フセイン国王(King Abdullah II)と会談する予定で、その後、最後の訪問国となるイスラエルに向かう。

 だがイスラエルのアラブ系政党は20日、ペンス氏のキリスト教信仰は「狂信的で危険だ」だと批判し、イスラエル国会で予定されている同氏の演説をボイコットする意向を示した。

 トランプ大統領のエルサレム首都認定に強い怒りを示しているパレスチナ自治政府幹部らも米政権を非難しており、昨年12月の時点でペンス氏との会談を拒否している。

(c)AFP/Maram Mazen with Dave Clark in Washington