【1月21日 AFP】ダカールラリー(Dakar Rally 2018)は20日、最終第14ステージが行われ、プジョー(Peugeot)のカルロス・サインツ(Carlos Sainz、スペイン)が自身2回目となる総合優勝を果たした。

 現在55歳で、息子もすでにフォーミュラワン(F1、F1世界選手権)のルノー(Renault)で活躍しているサインツは、ステージを安全優先で走り切り、優勝2回の実績を持つトヨタ(Toyota)のナセル・アルアティア(Nasser Al-Attiyah、カタール)、そしてジニエル・ドヴィリエ(Giniel de Villiers、南アフリカ)を抑えて大会を制した。

 ドヴィリエは最終ステージを勝利して表彰台フィニッシュ。前年王者でプジョーのステファン・ペテランセル(Stephane Peterhansel)は、木に激突して約40分をロスし、3位以内に食い込むことができなかった。サインツはこの日は9位だったが、43分40秒という大きなリードを残して第40回大会のゴールへたどり着いた。

 ダカールでは優勝した2010年大会以降、完走できたことがほとんどなかったサインツだが、今回は「気楽に走る戦術」で砂丘ステージを危なげなく乗り切ると、高速ステージで大量リードを築いた。大会開幕時点では穴馬的な立ち位置だったものの、終わってみれば2週目は一度もトップを譲ることなく、大会史上最年長のチャンピオンに輝いた。

 サインツは「 自分が参加した中で最も過酷なダカールだったが、必要な場面ではペダルを踏み込み、集中を保つことができた。みんなで懸命に努力してこの車を作り、チームが力を合わせてこの勝利を手に入れることができた」と話し、来年の参戦予定については「家に帰ってゆっくり考えるよ」と語った。

 復帰後のダカール4大会で3勝目をあげたプジョーは、すでに2018年限りでの大会撤退を表明している。サインツは「プジョーではステファン・ペテランセルが(2016年と2017年に)2回勝っている。だからこの優勝もチームのおかげだ」と述べた。

 一方、マシントラブルに苦しんだ大会を終えたペテランセルは、ダカール引退をほのめかす発言を残している。二輪と四輪を合わせて史上最多13回の優勝を誇る52歳は、2018年大会を「さっさと忘れたいダカール」と表現し、「地獄のような場面続きで、自分はここで何をしているのだろうという疑問が浮かんでくることが繰り返しあった。また会えるかは本当にわからない」とコメントした。

 二輪部門では、KTMのマティアス・ウォークナー(Matthias Walkner、オーストリア)が総合優勝を果たした。前回大会はチームメートのサム・サンダーランド(Sam Sunderland)に次ぐ2位だったウォークナーは、20分のリードを持って最終日を迎えると、286キロの競技区間を大きなトラブルに見舞われることなく8位で走破した。

 KTMはこれで17年連続のダカール総合優勝を果たしたが、オーストリア出身選手の優勝は今回のウォークナーが初めてとなった。最終ステージは地元アルゼンチンのホンダ(Honda)のケビン・ベナバイズ(Kevin Benavides、アルゼンチン)が制した。(c)AFP/Alexis HONTANG