【1月20日 AFP】イングランド・プレミアリーグ、マンチェスター・シティ(Manchester City)のジョゼップ・グアルディオラ(Josep Guardiola)監督は18日、クラブがアレクシス・サンチェス(Alexis Sanchez)の獲得を諦めたのは年俸の要求額が高かったためだと示唆した。

 サンチェスはアーセナル(Arsenal)を後にしてエティハド・スタジアム(Etihad Stadium)にやってくるものと思われていたが、今週初めにシティは獲得競争から手を引き、マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)が移籍先の一番手になった。

 サンチェスはユナイテッドとの4年半の契約に個人合意しており、推定の基本週給は36万5000ポンド(約5600万円)で、肖像権やボーナスを加えると50万ポンド(約7600万円)を上回ることになる。

 シティの最高給の選手は週給22万ポンド(約3400万円)となっており、グアルディオラ監督は、新規契約の選手に特別高額な給与を支払うことがチーム全体に恩恵を与えるとは考えていない。

 グアルディオラ監督が、かつてFCバルセロナ(FC Barcelona)でともに仕事をしたサンチェスをシーズン途中に加入させることに不安を抱えているのは知られている。昨年8月に契約を結べなかった際には、サンチェスがアーセナルとの契約が切れる今年の夏まで待つことを選択していた。

 指揮官は「バルセロナでの時も、バイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)での時も、そして今ここでも、クラブが高額だと考えている選手をとるように強要したことは一度もない」とコメントした。

「私はその判断を尊重するし、他の解決方法を探るように前進する。なぜならクラブの安定性こそが最も重要だからだ」

 グアルディオラ監督は2016年7月の就任以降、チームの再構築のために多額を費やしてきた。

 昨年夏だけでも5人の選手を獲得するのに2億ポンド(約300億円)以上を支出し、カイル・ウォーカー(Kyle Walker)、ベンジャミン・メンディ(Benjamin Mendy)、ダニーロ(Danilo Luiz da Silva)というサイドバックの3選手だけで1億2000万ポンド(約184億円)を使った。

 さらにプレミアリーグのライバルも実力の高い選手に大金をいとわず投じており、今月にはリバプール(Liverpool FC)がビルヒル・ファン・ダイク(Virgil Van Dijk)を7500万ポンド(約115億円)で、昨シーズンの初めにはマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)がポール・ポグバ(Paul Pogba)を8900万ポンド(約137億円)で獲得している。

 グアルディオラ監督は、パリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)がバルセロナから1億9800万ポンド(約300億円)でネイマール(Neymar da Silva Santos Junior)を獲得したことが、現在の移籍市場の基準をつくったと考えている。

「多額を投じたことについては否定しない。問題は、プレミアで最も古いチームを変えるのに高い金額を費やさねばならなかったことだ。一度の移籍市場でそんなことはできない。われわれには時間が必要だった」

「今は5000万ポンド(約76億円)だが、数年前は2000万ポンド(約30億円)だった。昔はそうだった。すでに数クラブはしているが、今後さらに多くのクラブが選手一人に1億ポンド(約153億円)を費やすだろう。今度の夏の移籍金はこの冬よりも高くなるだろう」 (c)AFP/Mike WHALLEY