【1月20日 AFP】2017-18アルペンスキーW杯は19日、イタリアのコルティナダンペッツォ(Cortina d'Ampezzo)で女子滑降第4戦が行われ、通算5回目の五輪出場を目指していたジュリア・マンキュソ(Julia Mancuso、米国)は結果を残せず、代表選出を逃して現役引退を表明した。

 2006年にキャリア初のW杯メダルを獲得したオリンピア・デッレ・トファーネ(Olympia delle Tofane)のコースで、スーパーヒーローのレーススーツに身を包んで最後のランに臨んだマンキュソにとって、来月の平昌冬季五輪に出場する米代表チームに選出されるためには、今週末のコルティナで行われるレースが最後のチャンスとなっていた。

 33歳の元五輪女王は、腰に問題を抱えながらも映画「ワンダーウーマン(Wonder Woman)」のスーツで士気を高めてレースに臨んだ。しかし、最後のランは悲しみと痛みを伴うものとなり、「(会場の)コルティナに来ることと、複合の五輪代表に選ばれる実力を示すことを楽しみにしていましたが、あっという間の出来事でした。体と腰のけがが、脳に追いついていけないと悟りました」と語った。

「奇抜な格好をしている方が、感情を抑えられます。不思議です。悲しいわけではありませんが、だんだん痛みが増してきました。毎レースが厳しいものになりました。メダルの可能性が消え、今度は代表チームも逃しました」

 この日のレースでは、リンゼイ・ボン(Lindsey Vonn)がミスを犯してW杯通算79勝目を逃したが、チームメートであるマンキュソが引退することの方が失望感が大きく、友人の肩に頭をうずめて涙を流していた。

「悲しい日です」と語ったボンは、「私たちは9歳のときから一緒にスキーをしていました。ともにスキー競技のはしごを上っていたのです。いつも彼女が背中を押してくれました。お互いの存在があったからこそ、私たちは高いレベルに到達できたのです。まったく違うタイプでしたが、お互いのことをとてもリスペクトしていました」と明かした。

 マンキュソは米NBCテレビの仕事で韓国に行く予定となっている。(c)AFP/Emmeline MOORE