【1月20日 AFP】トルコは19日、シリア北部の町アフリン(Afrin)に対する新たな砲撃を開始した。米軍が支援する民兵組織「クルド人民防衛部隊(YPG)」の排除が狙い。トルコ政府はYPGを「テロ組織」とみなしており、同組織に対し本格的な攻撃を行うと公言している。

 米軍主導の有志連合軍は今月15日、YPGの支配下にあるシリア北部地域で3万人規模の国境警備部隊の訓練を実施していると表明。これを受け、トルコ政府はアフリンを含む同地域の町を攻撃すると繰り返し警告していた。

 トルコの半国営アナトリア(Anadolu)通信は、トルコ軍が「テロの回廊」が形成されることを防ぐため、アフリンでYPGに対し複数の砲撃を実施したと報じた。

 トルコのヌレッティン・ジャニクリ(Nurettin Canikli)国防相は、同国のテレビ局Aハベル(A Haber)に対し、今回の砲撃で「(トルコ軍のYPGに対する)作戦が事実上開始した」と言明。地上侵攻の開始時期について質問されると、「明日かもしれないし、今夜かもしれない。われわれに言えるのは、この作戦が実施されるということだ」と述べた。

 シリアのファイサル・メクダド(Faisal Mekdad)副外相は18日、自国内でトルコ軍が攻撃を実施した場合は侵略行為とみなし、使用された軍用機を撃墜する用意があると警告していた。

 米国はYPGをイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」掃討作戦を進める上での重要な同盟勢力とみなしており、YPGは米・トルコ間の対立を生む大きな原因となっている。(c)AFP