【1月20日 AFP】ジェームズ・マティス(James Mattis)米国防長官は19日、国防総省の指針をまとめた国家防衛戦略を発表し、米国は中国とロシアの「脅威の増大」に直面していると述べるとともに、米国の軍事的優位が近年失われてきていると指摘した。

 マティス長官は同戦略のうち機密指定以外の部分を公表し、「われわれは中国やロシアなどの修正主義大国、すなわち自らの独裁的な体制に合った国際秩序の創出を目指す国々からの脅威の増大に直面している」と述べた。

 さらに同長官は「米軍は依然として強力ではあるが、われわれの競争上の優位性は、空、陸、海、宇宙、サイバー空間と、あらゆる面で徐々に失われてきた。そして、現在も失われ続けている」と指摘した。

 国防総省による国家防衛戦略は、トランプ政権が昨年12月に公表した国家安全保障戦略に基づくもの。国家安全保障戦略もまた、地球規模の安全保障環境における中ロの位置付けを強調している。

 中国について同長官は、「略奪的な経済政策で近隣諸国を威嚇しながら、南シナ海(South China Sea)の地形の軍事化を進める戦略的競合国である」と述べた。

 ロシアについては、「周辺国の国境を侵犯し、隣国の経済、外交、安全保障上の決定に対して拒否権を獲得しようとしている」と指摘した。

 このほか同長官は、平和に対する脅威として、イランと北朝鮮を名指しした。(c)AFP/Thomas WATKINS