【1月19日 AFP】フランスの裁判所は18日、裕福な高齢男性4人に毒を盛り、うち2人を殺害したとしてパトリシア・ダゴン(Patricia Dagorn)被告(57)に禁錮22年の判決を言い渡した。

「リビエラのブラック・ウィドー(黒の未亡人)」と呼ばれているダゴン被告は、2011年に仏南東部コートダジュール(Cote d'Azur)で遺体が見つかった男性2人の殺害と、別の2人に毒を盛った罪で有罪判決を受けた。裁判で検察側は、被告は主に恋人紹介所を通じて出会った男性らを金目当てで誘惑したと主張し、被告側はこれを全面的に否定していた。

 ダゴン被告は、2012年に性的関係を結ぶことと引き換えにダゴン被告を同居させることに同意したフランスの80代男性が絡む別の事件で起訴され、窃盗や詐欺などの罪で禁錮5年の判決を受けて現在服役中。

 ダゴン被告に毒を盛られたロベール・ボー(Robert Vaux)さん(91)は15日、公判の傍聴に訪れた裁判所で報道陣に対し「(ダゴン被告は)冬に降り注ぐ太陽の光のようだった。自分よりかなり若い女性とは長続きしないと分かっていても、マゾヒストでもない限りその機会を拒絶することはない」と述べた。

 警察はダゴン被告が2011年にコートダジュール(フレンチリビエラ)に来た後、恋人紹介所を通じて接触した男性は少なくとも20人に上るとみている。

 2013年にはダゴン被告の末の息子が地元紙ニース・マタン(Nice Matin)に対し、「母はいつも手っ取り早く金を手に入れることに執着していた」と語り、このような事件を起こしても不思議ではないと話していた。(c)AFP/Claudine RENAUD