【1月19日 東方新報】2月15日から始まる中国の春節(旧正月、Lunar New Year)を前に、中国の白酒市場は繁忙期に突入している。中でも、中国の「国酒」として親しまれている「マオタイ(茅台)酒」は、販売を手がける貴州茅台酒(茅台グループ)が供給量を増やしても、今年も入手困難な状態だ。販売代理店などでも品薄状態か品切れが続き、同社の小売価格1本1499元(約2万5924円)のマオタイ酒が、市中では1850元(約3万1995円)まで跳ね上がっている。

 また、インターネット上では買い占め行為が横行。一般の消費者が徹夜でパソコンに張り付いても、鉄道切符などをネット上で素早く買い占める悪意ある専用アプリを駆使する業者が一瞬で買い占め、品切れになってしまうのだという。茅台グループは代理店などに対し、販売価格を勝手に引き上げないよう呼びかけ、違反行為を取り締まるとともに、買い占め業者の一掃にも乗り出している。昨年は、買い占め業者と思われる48万7000人のユーザーをブロックするなど市場管理にも努めているが、効果はあまりないという。

 茅台グループの袁仁国(Yuan Renguo)会長は、このほど行われた全国卸売業者懇親会で、一般の消費者に飲んでもらえるように価格をむやみに引き上げないよう呼びかけた。袁会長は、「市場価格の安定は経済発展にもつながる。マオタイ酒は『飲む』ためや『コレクションする』ために存在するのであって、投機的売買のためではない」と強調した。

 茅台グループは春節に備え、最低7000トンのマオタイ酒と、6000トンの同系列の酒を出荷する計画だとしている。(c)東方新報/AFPBB News