【1月18日 AFP】(更新)米アップル(Apple)は17日、米国外に滞留させている利益を本国に戻し、約380億ドル(約4兆円)の税金を支払うと発表した。米国への利益還流に伴う納税額としては史上最大になる見通し。ドナルド・トランプ(Donald Trump)政権は企業が利益を米国に戻す際に課す税率を引き下げていた。アップルは向こう5年で投資や雇用を通じて米経済に3500億ドル(約39兆円)を超える貢献をする考えも示した。

 トランプ氏はツイッター(Twitter)に「米国の労働者と米国にとって非常に大きな勝利だ!」と投稿し、アップルの決定を歓迎した。

 米議会は昨年12月、米企業が国外で得た利益を本国に戻す際の税率を約15%に引き下げ、連邦法人税率を35%から21%に引き下げる税制改革法案を可決。米最大の納税者を自認するアップルは、この減税の恩恵を最大限に受ける形となる。

 アップルは2500億ドル(約28兆円)超の利益を国外に保有しているが、これまでは税率35%であれば本国に還元しても株主の利益にならないと主張していた。

 だが、減税を受けて巨額の国外利益を米国内の投資に活用する方針を発表。向こう5年で、データーセンターの建設に100億ドル(約1兆1000億円)以上を投じるなど米国で300億ドル(約3兆3400億円)を超える設備投資を行うほか、約2万人の雇用を創出し、米経済に3500億ドルの貢献をする考えを表明した。

 ティム・クック(Tim Cook)最高経営責任者(CEO)は、アップルの成功は米国でしかあり得なかったとした上で「私たちの成功を可能にしてくれた米国と米国民にお返しをする責任があると強く感じている」と述べている。

 アップルは第2本社を建設することも併せて明らかにした。当初はユーザーのテクニカルサポートに当たる部門が入るといい、場所は年内に公表するとしている。(c)AFP