【1月17日 AFP】インド南部タミルナド(Tamil Nadu)州で毎年行われる恒例の牛追い祭り「ジャリカット(Jallikattu)」で16日、観客2人が雄牛に角で突かれて死亡した。地元の警察当局が明らかにした。

 同州シバガンガイ(Sivaganga)県の警察当局によると、祭りの最中に雄牛が群衆に突進して2人が死亡、40人が負傷した。警察幹部は「何者かが牛をアリーナの外に逃がした」と述べ、「事件として受理し、犯人に対して適切な対応に当たる」と述べた。

 今年のこの祭りでは2日間で3件の死亡事故が発生し、計4人が犠牲となっている。前日15日には同州マドゥライ(Madurai)県で雄牛が観客席へ突っ込み、10代の観客1人が死亡、11人が負傷した。また現地の報道専門局NDTVによると、ティルチラーパッリ(Tiruchirappalli)でも同日、1人が角で突かれて死亡した。

 タミルナド州で大変な人気を誇っているこの牛追い祭りでは、若い男性たちが賞品を勝ち取るために、会場に放たれた雄牛の鋭い角やこぶをつかもうと立ち向かっていく。賞品には車やバイク、冷蔵庫やテレビ、さらには金貨や家具が用意されている。一方、動物愛護団体からは、参加者が動物を虐待しているとして非難の声が上がっている。(c)AFP