【1月17日 AFP】ミャンマー西部ラカイン(Rakhine)州のムラウク・ユー(MraukU)で16日、政府の建物を占拠しようとしたラカイン族の仏教徒集団に警察が発砲し、7人が死亡、13人が負傷した。警察当局がAFPに明らかにした。

 当時はムラウク・ユーの仏教寺院で行われた伝統行事のため約5000人の仏教徒が集まっていた。この集まりがなぜ暴動に発展したかのは不明だが、ミャンマーを支配する多数派のビルマ族と社会から取り残され貧困生活を送る少数民族ラカインの人々とは長年にわたって敵対関係にある。

 ミャンマー警察は、仏教徒らの集団が投石するなど暴徒化して政府庁舎に押し入りラカイン州の旗を掲げたと主張。警察はゴム弾で警告射撃を行ったが、仏教徒らが去らなかったため実弾を発砲したと説明した。既に暴動は鎮圧され現在は治安部隊が市内に配置されているという。

 ムラウク・ユーは、昨年8月に始まったミャンマー軍によるイスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)弾圧の中心地から数10キロしか離れていないが、ミャンマー軍による破壊を免れていた。ラカイン州からは数10万人のロヒンギャがバングラデシュに逃れている。

 ムラウク・ユーで暴動があった同じ日、ミャンマーとバングラデシュ政府は、バングラデシュの難民キャンプで劣悪な生活を送っているロヒンギャ難民ら約65万5000人のラカイン州送還を開始することで合意した。

 ラカイン族の人々はロヒンギャたちを隣国バングラデシュからミャンマーになだれ込んだ不法移民の「ベンガル人」と非難し、忌み嫌っている。(c)AFP