【1月17日 AFP】米海軍は16日、静岡県・伊豆半島沖などで昨年6月と8月に相次いで発生したミサイル駆逐艦の衝突事故で、当時の艦長らを過失致死と職務怠慢の罪で軍法会議にかけると発表した。

 昨年6月には伊豆半島沖で米海軍のミサイル駆逐艦「フィッツジェラルド(USS Fitzgerald)」が貨物船と衝突し、乗組員7人が死亡した。また8月にはミサイル駆逐艦「ジョン・S・マケイン(USS John S. McCain)」がタンカーと衝突し、乗組員10人が死亡した。

 米海軍は16日の声明で、フィッツジェラルドの幹部乗員らとジョン・S・マケインの艦長が問われている刑事責任の証拠を検証するために統一軍法32条に基づき、予備審問を招集すると明らかにした。

 米海軍によると「職務怠慢、危険航行、過失致死」などの罪に問われているのは、フィッツジェラルドの艦長、大尉2人、中尉1人と、ジョン・S・マケインの艦長。

 死者を出した2件の衝突事故では、指揮能力の欠如や、太平洋地域への度重なる派遣による負担が明るみに出ただけでなく、船舶通航量の多い海域での乗組員らの注意不足も浮き彫りとなった。

 海軍制服組トップのジョン・リチャードソン(John Richardson)作戦部長(大将)は昨年11月に発表した声明で、衝突事故について「これらの事故はいずれも回避可能だった。それぞれの事故調査によって、監視員らの複合的な怠慢が事故の原因となったことが明らかになった」と述べている。(c)AFP