【1月16日 AFPBB News】無病息災を願い、火の粉が残る灰の上を歩く──。「こんにゃくえんま」として知られる東京都文京区の源覚寺(Genkaku Temple)で16日、「火渡り神事」が行われた。山伏姿の修験者に続き、約30人の参拝者も荒行に参加した。

 剣や弓、おのを用いた儀式が執り行われ、読経と太鼓が響く中、竹をくべた直径90センチの炉に点火。高く燃え上がる炎に、参拝者の願い事が書かれた護摩木を投げ入れた。さらに、護摩壇に約5メートルにわたり広げられた炭や灰の上を修験者と参拝者が手を合わせたり、足元を見たりしながら素足で歩いた。また、煮えたぎる湯をササの束を使って体にかける修行「湯加持(ゆかじ)」も、修験者によって行われた。

 江戸時代から伝わる火渡り。「もともとは、山中の修験者が護摩をたき、修験者同士が(その上を歩いて)修行の成果を比べ合う『験比べ』として行われたのが始まり。その後信者も行う『火渡り』へと発展した」と、桑林茂雄(Moyu Kuwabayashi)住職(61)。

 初めて参加した宮本真司(Shinji Miyamoto)さん(23)は戌(いぬ)年生まれで、今年は厄年。「社会人になって1年経つこともあり、心機一転がんばろうと参加した。思ったより熱くなく、温かかった」と話した。(c)AFPBB News