【1月16日 AFP】ベネズエラ治安当局は15日、昨年の反政府デモの最中に最高裁をヘリコプターから攻撃した元警察官オスカル・ペレス(Oscar Perez)容疑者(36)の身柄を拘束する作戦を実施し、内務省によると数人が死亡、当局側にも死者が2人出た。容疑者が死亡したのか拘束されたのかは不明。

 ペレス容疑者は同日、ツイッター(Twitter)に動画を投稿。首都カラカス近郊エルフンキト(El Junquito)の道路で仲間と共に警察に包囲され、狙撃手に狙われて身動きが取れなくなっていると明らかにしていた。

 動画の中では、血を流している自身の姿を写し、「ロケット砲を撃ち込まれている。投降すると言ったのに投降させてくれない。われわれに死んでほしいと思っているようだ」などとも語っている。

 内務省の声明によると、激しい銃撃戦の中で「テロ細胞」の数人が死亡、5人を拘束した。警察官2人も死亡した。

 エリート警察官だったペレス容疑者と身元不明の共犯者らは昨年6月、ニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領に対する抗議行動が繰り広げられる中、警察のヘリコプターに乗ってカラカスにある最高裁の建物に手りゅう弾4個を投げつけた後、内務省の建物に向かって発砲した。負傷者は出なかった。

 ベネズエラ当局は事件を「テロ攻撃」を断じ、国際刑事警察機構(インターポール、ICPO)を通じてペレス容疑者を国際手配していた。同容疑者は逃亡を続けていたが、潜伏先から政府を批判する動画をたびたびインターネットに投稿。マドゥロ大統領の「独裁」と闘っていると主張し、国民にも立ち上がるよう呼びかけていた。(c)AFP