【1月16日 AFP】ローマ・カトリック教会のフランシスコ(Francis)法王(81)は15日、世界は核戦争の「瀬戸際」にあると述べ、原爆投下後の長崎で撮影された「焼き場に立つ少年」の写真を使い現状に警鐘を鳴らした。

 法王は南米に向かう専用機内で、北朝鮮が昨年から核・ミサイル実験を繰り返す中、核戦争の脅威についてどう考えるかとの記者の質問に対し、「まさに瀬戸際にあると思う」と返答。「私は本当にこれを恐れている。ひとつ事故が起きただけで、事態が急展開するような状況だ」と語った。

 核兵器の危険性について頻繁に発言している法王は、米国が長崎に投下した原爆によって死亡した弟の遺体を背負う少年を写した1945年撮影の痛ましい写真を記者団に示した。

 写真の裏に「戦争の結果」との短い言葉を記した法王は、「これを印刷して配布したいと思った。このような写真は1000の言葉よりも人の心を動かし得る。皆さんと共有したいと思ったのもそのためだ」と語った。(c)AFP