【1月14日 AFP】スペインサッカー1部リーグのFCバルセロナ(FC Barcelona)が、所属するリオネル・メッシ(Lionel Messi)の脱税を手助けする手段として同選手の財団への寄付を利用していたかどうかを検察当局が捜査していると、地元紙エルムンド(El Mundo)が13日に報じた。

 サッカーに関する内部告発サイト「フットボール・リークス(Football Leaks)」の書類を手に入れた同紙は、FCバルセロナが「2010年から16年にかけて少なくとも1270万ユーロ(約17億円)」をレオ・メッシ財団(Leo Messi Foundation)に寄付していると伝えた。

 記事によると、FCバルセロナからの寄付は2013年から16年にかけての同財団の収入の71.5パーセントを占めているという。

 2010年から財団を正式登録した2013年6月までの間に、FCバルセロナは慈善団体への寄付の規則にのっとり、法人税の支払いを35パーセント削減していた。

 この寄付活動が疑惑を強め、検察は2016年1月に寄付金が「割に合うもの」だったか、法人税と所得税の回避のためのものだったのかどうかを捜査し始めた。同年4月には当局がFCバルセロナのオフィスに捜査に入った。

 正式な捜査の開始後、FCバルセロナは寄付金に対する控除適用をやめたが、同紙はこの寄付金の支払いがメッシの「給与の支払いの一部と考えられる」としている。

 エルムンドによると、チャリティーによる収入の70パーセントは財団の設立目的のために利用されなければならないと法律上で決まっている。しかし同国のABC紙は、財団の口座には空白部分が多く、さらに外部コンサルタントへの多額の支払いや事務所の賃貸料や改装費、アルゼンチン支部への送金の記録があったと報じている。

 (c)AFP