【1月14日 AFP】欧州歴訪中の安倍晋三(Shinzo Abe)首相は13日、ラトビアとリトアニアを訪れ、ラトビアのマーリス・クチンスキス(Maris Kucinskis)首相、サウリュス・スクバルネリス(Saulius Skvernelis)首相とそれぞれの首都で会談し、北朝鮮に対する圧力強化への支持を要請した。また北朝鮮の核やミサイル開発計画は国際社会への脅威だと強調した。日本の現職首相がバルト3国を訪れるのは初めて。

 北朝鮮問題では韓国の平昌冬季五輪開催が迫り最近になって緊張緩和の動きがみられるが、安倍首相はリトアニアの首都ビリニュス(Vilnius)で行った記者会見で対北朝鮮では圧力を最大限に高めていくことが必要だと述べ、今や国際社会の脅威である北朝鮮に対し「法の支配に基づく国際秩序を維持・強化するため緊密に連携していく必要がある」と語った。

 これに対し、リトアニアのスクバルネリス首相、ラトビアのクチンスキス首相も支持を表明。安倍首相は12日に会談したエストニアのケルスティ・カリユライド(Kersti Kaljulaid)大統領とも対北朝鮮での認識で一致しており、北大西洋条約機構(NATO)加盟国のバルト3国すべてから対北朝鮮での支持をとりつけたかたちとなった。

 安倍首相は14日、リトアニア第2の都市カウナス(Kaunas)にある故杉原千畝(Chiune Sugihara)氏の記念館を視察する。第2次世界大戦(World War II)時にリトアニア副領事だった杉原氏は、ナチス・ドイツの迫害を逃れてきたユダヤ人難民に日本の通過ビザを発給してリトアニアを出国させ、約6000人をホロコーストから救ったとされる。

 その後、首相は東欧のブルガリア、セルビア、ルーマニアを歴訪し、17日に帰国する予定。(c)AFP