【1月14日 AFP】17-18イングランド・プレミアリーグは13日、第23節の試合が行われ、ちぐはぐなチェルシー(Chelsea)は10人のレスター・シティ(Leicester City)と0-0で引き分け、アントニオ・コンテ(Antonio Conte)監督が率いるチームの苦悩は深まっている。

 チェルシーは低調な内容しか見せられず、レスターが前半にあった多くの好機を決めていれば完敗していてもおかしくなかった。レスターの左SBベン・チルウェル(Ben Chilwell)が後半途中に2枚目のイエローカードをもらって退場となった後も、昨季王者は決勝点を奪うことができなかった。

 チェルシーはこれで公式戦4戦連続ドローとなり、チームは首位マンチェスター・シティ(Manchester City)と勝ち点15差の3位にとどまっている。難しい一週間の最後も引き分けに終わり、昨季チームをリーグ王者に導きながらも、浮き沈みの激しい1年半を過ごしてきたコンテ監督は、今季の残りがチェルシーでの最後の数か月になる可能性も浮上し、去就について指揮官は「どんなことも起こり得る」と話していた。

 コンテ監督は補強方針の不一致や、スペイン1部リーグのアトレティコ・マドリード(Atletico de Madrid)へ復帰したジエゴ・コスタ(Diego da Silva Costa)との対立をめぐり、フロントとの確執がささやかれている。激情家で練習も厳しいことで知られる監督と、チームの安定感のなさに何人かの選手が不満を持っているとの話もあり、それが退任のうわさの信ぴょう性を高めている。

 コンテ監督はパリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)の指揮官就任がうわさされている。チェルシーの方は、現在イタリア・セリエAのユベントス(Juventus)で指揮を執るマッシミリアーノ・アレグリ(Massimiliano Allegri)監督や、昨季までFCバルセロナ(FC Barcelona)を率いたルイス・エンリケ(Luis Enrique)氏の名前が後任候補に挙がっている。

 コンテ監督は「選手たちは疲れていたと思う。前半はレスターの方が走っていた。苦しい試合で、失点はしなかったがチャンスも作れなかった」と話した。

 指揮官の周囲が騒がしくなっている状況で、今回はファンの反応が興味深い。ロマン・アブラモビッチ(Roman Abramovich)オーナーの就任以降、大物監督が頻繁に入れ代わる状況に慣れてしまったのか、ファンは指揮官交代の可能性にあまりショックを受けていないようにみえる。

 キックオフ直後にはコンテ監督の名前を叫ぶチャントがスタンドから聞こえたが、声はすぐに小さくなり、監督も軽く拍手をして応えただけだった。(c)AFP/Steven GRIFFITHS