【1月13日 AFP】イングランド・プレミアリーグ、チェルシー(Chelsea)の元ユースコーチと元スカウト責任者からいじめや人種差別的な虐待を受けていたとして、3人の元ユース選手が訴訟を起こしたと12日に報じられたことを受け、同クラブはイングランドサッカー協会(FA)の調査に協力することを表明した。

 英紙ガーディアン(Guardian)の報道によると、チェルシーの元ユースコーチを務めていた現在60歳のグラハム・リックス(Graham Rix)氏と元スカウト責任者のグウィン・ウィリアムズ(Gwyn Williams)氏は、1990年代に黒人選手を虐待していたとして訴えられたとされている。

 両氏が否定している主張に関しては、すでに警察が捜査を打ち切っているものの、チェルシーとFAは問題を注視して選手2人の聴取を行ったと伝えられた。それによると、一人はリックス氏からホットコーヒーが入ったカップを顔に投げつけられ、もう一人はボールを投げられて鼻血を出したという。

 被害者はまた、何度もなじられるなど継続的に人種差別的な虐待を受けていたと訴えているが、両氏の弁護士は「これらの申し立ては、英ロンドン警視庁(Metropolitan Police ServiceMPS)の専門捜査官によって徹底的に調べられたものである。その結果、MPSは十分な証拠を認めず、英公訴局(Crown Prosecution Service)にも報告しなかった。われわれの顧客は捜査に協力した」と述べた。

 現役時代にはアーセナル(Arsenal)などに所属し、イングランド代表としても活躍していたリックス氏は、未成年の少女と性交したとして刑務所に送られた1年後の2000年にチェルシーを退団。ウィリアムズ氏も2006年に同クラブを去っている。(c)AFP