【1月12日 AFPBB News】一度は嗅いだことのあるあのにおい──。強烈なにおいを放つ靴下から四季折々の花の香りまで、50種類のにおいを体験できる一風変わった展覧会「におい展」が2月25日まで、東京・池袋のパルコ(PALCO)で開催されている。「怖いけど、嗅ぎたい」と訪れた来場者たちが展示物を前に、思わず顔をしかめたり、のけぞったりする様子が見られた。

 名古屋で1年前に開催され、約2か月で2万人が来場した同展。世界一臭い食べ物と言われるニシンの缶詰シュールストレミングや南国の果実ドリアン、実は香料と同じにおい成分を放つカメムシなど、様々なにおいの体験ブースが設けられている。その他、自分の体のにおいを測定したり、男女のフェロモンを嗅ぎ分けたりするコーナーも。

 展示の香りを監修した調香師の田代はなよ(Hanayo Tashiro)さんは、「意識することでにおいを嗅ぐ力が備わる」と話す。「死臭などの近寄ってはいけない『警戒』のにおいが遺伝子的に悪いにおいとされる。悪いにおいは幅が広く、嗅覚としてはとらえやすい。しかし、いいにおいはとらえにくく、日頃接する機会も少ない。自然が出す葉っぱや地面、花の香りは最高の香り。自然の大切さにも気付ける」

 都内在住の会社員、三好(Miyoshi)さん(59)は加齢臭の展示を嗅ぎ、「娘は臭くないと言ってくれるが、自分ではやっぱり分からないね」とこぼす。埼玉県在住の会社員、絵美(Emi)さん(37)は「どこかで嗅いだことのあるにおいがいっぱいあったが、分からなかった。実家の外で遊んだ記憶を思い出した」と笑顔を見せた。(c)AFPBB News