【1月12日 AFP】(写真追加)中国で氷点下の中、髪を霜で覆われながらも1時間かけて徒歩で通学する少年の写真がインターネット上で拡散し、地方部の子どもたちの貧困問題に関する議論が白熱している。

 中国メディアが今週報じたところによると、南東部・雲南(Yunnan)省の小学校の校長が自校の児童ワン・フマン(Wang Fuman)君の写真をオンラインに投稿したことで、ワン君は「霜少年」と呼ばれるようになった。写真のワン君は頬が真っ赤で、髪全体が霜で凍って真っ白になっていた。

 国営通信社・中国新聞社(China News Service)によると、写真を撮影した担任教師は、ワン君は片道4.5キロの道のりを1時間以上かけて通学していると述べた。拡散した写真を撮影した日の気温は、氷点下9度だったという。この他、ほぼ満点の答案用紙に乗せられたワン君の荒れてむくんだ両手の写真なども投稿された。

 中国では近年、両親が都市に出稼ぎに行き、きょうだいや祖父母と共に村に残されるワン君のような「留守児童」の窮状が熱い議論を呼んでいる。

 中国版ツイッター(Twitter)の「ウェイボー(微博、Weibo)」には「我々の貧困層支援はいまだ不十分だ」「中国にはこういう子どもが大勢いる」といったコメントが投稿された。

 しかし、ネットで注目を集めたことで良いこともあった。北京新聞(Beijing News)は10日、ウェイボーの公式アカウントで、ワン君の学校と雲南省のもう一つの学校に共感したインターネットユーザーから10万元(約170万円)の寄付が集まったと報じた。これらの寄付は各児童に500元(約8600円)ずつ配られるという。

 ワン君は上海(Shanghai)を拠点とするニュースメディア「澎湃新聞(The Paper)」に対し、「警察官になって悪いやつらをやっつけたい」「通学路は寒いけど、どうってことないよ!」と語った。(c)AFP