【1月12日 AFP】米プロバスケットボール協会(NBA)で選手と審判の関係に緊張が高まっている中、アダム・シルバー(Adam Silver)コミッショナーは11日、リーグとして審判の育成には「倍の労力」を傾けていると主張した。

 ボストン・セルティックス(Boston Celtics)とフィラデルフィア・セブンティシクサーズ(Philadelphia 76ers)の試合が行われた英ロンドンのO2アリーナ(O2 Arena)で、シルバーコミッショナーは報道陣の取材に応じ、選手が不満を訴えているのとは裏腹に、試合での判定方法が大きく変わった事実はないと強調した。

「これまでよりも厳しく監視できるようになったこと以外は、特に変わった点はない。現在ではあらゆる音声がとらえられ、コート内で起きているすべての瞬間が高画質で記録されている。これによって、過去には見えていなかった部分が強化され、公にならない瞬間はなくなっている」

 その一方でシルバーコミッショナーは、リーグとしてこうした監視体制や、高い重圧にさらされている状況に対応できる審判の育成に乗り出しているとして、「倍の労力を費やして審判のトレーニングを行っている」とコメント。トップレフェリーのモンティ・マカッチン(Monty McCutchen)氏を責任者として、「審判の追加訓練に励み、これらの厳しい環境に対処できるようにしている」と述べた。

 最近では、ヒューストン・ロケッツ(Houston Rockets)のクリス・ポール(Chris Paul)が、ポートランド・トレイルブレイザーズ(Portland Trail Blazers)戦でスコット・フォスター(Scott Foster)審判からテクニカルファウルを取られ、「テクニカルファウルを取られた。スコット・フォスターは絶好調だな。いつだってそうなんだ」と報道陣に不満をあらわにしていた。

 ゴールデンステイト・ウォリアーズ(Golden State Warriors)のドレイモンド・グリーン(Draymond Green)も先日、今季11度目のテクニカルファウルを取られた際、その審判が特定の選手をターゲットにして「試合を台無しにしている」と批判し、2万5000ドル(約278万円)の罰金を科された。

 しかし、最近ではレブロン・ジェームズ(LeBron James)、ケビン・デュラント(Kevin Durant)、ステフェン・カリー(Stephen Curry)らリーグを代表するスター選手が退場処分になっており、審判団に対する注目が高まっている。

 オースターブレーク期間中には、問題解決に向けた審判と選手による会合が開かれる予定となっており、シルバーコミッショナーは、「会合は罰金を増やすためのものではない。関係を改善するためのものだ」と強調した。(c)AFP