【1月12日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は11日、移民改革をめぐる議員らとの会合でアフリカ諸国やハイチからの移民に言及し、「肥だめ国から来た連中をなぜ受け入れなければならないのか」と述べた。

 トランプ氏はホワイトハウス(White House)で上下院議員と、超党派の移民政策改革案について議論した。この改革案では、未成年時に親に連れられるなどして不法入国する形で米国へやって来た「ドリーマー」と呼ばれる移民の若者を国外追放しないことと引き換えに、移民の家族の呼び寄せの制限や、移住希望者に抽選で永住権(グリーンカード)を付与する「移民多様化ビザ抽選プログラム」の制限を行うことが挙げられている。

 消息筋が米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)に語ったところによると、トランプ大統領は「肥だめ国から来た連中をなぜ受け入れなければならないんだ?」と述べた。後に米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)もこの会合の出席者を匿名の情報源として同様のコメントを報じた。

 トランプ大統領はアフリカ諸国とハイチを「肥だめ」呼ばわりした後、米国はノルウェーのような国々からの移民を歓迎すべきだと提案。トランプ氏は10日にノルウェーのアーナ・ソールバルグ(Erna Solberg)首相と会談していた。

 ホワイトハウスはトランプ氏の発言に関する報道について否定しなかった上、大統領は米国を増強する「恒久的な解決を目指して闘って」おり、能力主義に基づく出入国管理制度もその一例だと主張した。

 ホワイトハウスのラジ・シャー(Raj Shah)報道官は声明で「米国の政治家の中には外国のために闘うことを選ぶ人もいるが、トランプ大統領は常に米国民のために闘っていく」と述べた。

 一方、民主党議員からは、トランプ氏の発言は「移民排斥主義者」であることを示唆するものだという声も上がっている。民主党のルイス・グティエレス(Luis Gutierrez)下院議員は「トランプ大統領が特定の国々の出身者や特定の肌の色の人々を嫌っていることは前々から分かっている」、「今こそ100%の自信を持って言える。トランプ大統領は、わが国の憲法によって守られている価値観を共有しないレイシスト(人種差別主義者)だ」と述べた。(c)AFP