【1月12日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は11日、議会での採決を目前に控えた情報監視法の延長法案について、ツイッター(Twitter)への投稿で疑問を呈したが、そのわずか1時間後に見解を180度転換するコメントを投稿した。

 米国では、2001年の同時多発攻撃を受けて制定された外国情報監視法(FISA)第702条(Section 702)により、裁判所命令の取得を条件に、テロまたはスパイ行為に関与した疑いのある外国人に対する政府機関の電子監視活動が許されてきた。

 同条項は論争の的となってきたが、民主・共和両党の歴代政権はいずれも、この監視活動はテロ対策と防諜(ぼうちょう)活動に不可欠であり、多くの人命を救ってきたと主張しており、トランプ政権も同じ立場を取ってきた。

 だが、トランプ大統領は早朝のツイッター投稿で、FOXニュース(Fox News)の報道番組から借用したとみられる表現を使い、「議論を呼ぶFISA法、下院できょう採決」と投稿。同法はバラク・オバマ(Barack Obama)前政権下で自身に対する盗聴活動に使用された可能性があるとして、懸念を表明した。オバマ政権はトランプ氏に対する盗聴活動はなかったと強く否定している。

 トランプ大統領のツイートを受け、米政界では衝撃が広がった。すると同大統領は再びツイッターへの投稿で、今度は同法支持を表明。「とは言え、私は就任してから、策略を暴くプロセスの改善を個人的に命じてきており、きょうの採決は外国の国土での外国の悪人に対する対外監視についてのものだ。私たちにはこれが必要だ! 賢くなれ!」と書き込んだ。

 米下院はその後、第702条の延長を賛成256反対164で可決。上院ではより困難な審議が予想されるものの、最終的には通過する見通しだ。(c)AFP