【1月11日 東方新報】世界5大スマートフォンメーカーの一角を占める中国のファーウェイ(Huawei)は、2017年の販売収入が2360億元(約4兆379億円)だったと発表した。ファーウェイと傘下ブランド「オーナー(honor)」製スマホの合計発送台数は1億5300万台で、中国市場で1位、世界で3位となった。中でも、ファーウェイの代表的製品「Mate 9」、「P10」シリーズだけでも1000万台を突破した。

 しかし輝かしい業績の影で、ファーウェイの3大事業の一つである一般消費者向け端末事業の営業収入の成長率は2015年の70%から落ち続け、17年は30%だった。

 ファーウェイの高級路線市場での活躍は言うまでもないが、オーナーを始めとした低価格市場では脅威にさらされている。最大の脅威は、17年に復活をとげた小米科技(シャオミ、Xiaomi)だ。そのほかにもオッポ(OPPO)、ヴィーヴォ(Vivo)などの強敵がいる。

 世界で2番目に巨大な市場を持つインドでは、シャオミ、オッポ、ヴィーヴォ、レノボ(Lenovo)などが成功を収める中、ファーウェイは鳴かず飛ばずだという。営業収入の半分以上を国際市場での売上が占めるファーウェイからすると大失敗だ。原因は、インド市場が依然として低価格製品の天下で、ファーウェイがこの点を重視していなかったことだろう。

 ファーウェイの任正非(Ren Zhengfei)CEOは社内会議で、「低価格製品の価値を無視すべきではない。低価格製品は、高級路線製品の利益を守るためにも重要だ」と強調したという。任CEOは以前にも「世界の90%は貧困層だ。低価格のスマホには貧困層の市場がある。彼らを軽視してはいけない」と話したことがあったという。

 オーナーの趙明(Zhao Ming)CEOは、「中国のスマホ競争と市場の現状から言うと、成長できる余地はもうほとんどない。オーナーは引き続き海外市場を開拓していく。オーナーブランドは5年以内に世界5位を目指し、2020年には海外市場の売り上げが50%を占める計画だ」と話している。

 香港の市場調査会社、カウンターポイント(Counterpoint)によると、世界のスマホの買い換え周期は平均21か月で、中国は平均22か月と平均より長い。近いうちにスマホ業界は行き詰まり、新たな製品が消費者を動かすのは難しくなるだろう。

 ファーウェイの一般消費者向け端末事業を担う事業本部の余承東(Yu Chengdong)CEOは、「携帯電話業界もふるいにかけられる時期にさしかかった。多くの企業は生き残れずに消えていくだろう」と話している。(c)東方新報/AFPBB News