【1月15日 AFP】アフガニスタンで中産階級出身のイスラム過激派が、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の同国東部から首都カブールへの勢力拡大を支えていると複数の専門家が指摘している。

 ISは、過去18か月間にカブールで起きた20件近い攻撃について犯行声明を出している。学生や大学教員、小売店主などが末端組織である「細胞」に加わっており、アフガニスタンや米国の治安部隊の目を盗み、極めて要塞化されたカブールに大虐殺をもたらそうとしている。

 これは、戦争で疲弊したカブール市民や、再び台頭している旧支配勢力タリバン(Taliban)を撃退することに悪戦苦闘している治安部隊、そして対テロを目的にアフガニスタンに駐留している米軍にとっても懸念すべき事態だ。

 2014年に出現しアフガニスタンとパキスタンで活動しているIS系の「イスラム国ホラサン州(IS-K)」は主に両国や中央アジアを拠点とするイスラム武装勢力や、不満を抱いてタリバンから離脱した元戦闘員で構成されている。

 イスラム教スンニ派(Sunni)のIS-Kは2016年夏にカブールで初の攻撃を行い、犯行声明を出した。以後、首都で拡大し続けるネットワークを生かしながら、治安部隊やイスラム教シーア派(Shiite)に対する攻撃を繰り返し、その頻度は次第に増加している。

 専門家らによれば新たな戦闘員は不足していない。ISはアフガニスタンに数十年にわたり存在している過激思想の流れを探し当てることに成功し、また都会の若者たちの間にインターネットが普及していることを追い風に社会経済的な階級の壁を越えて活動している。