【1月11日 AFP】15日から開幕する全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2018)では、以前から四大大会(グランドスラム)で問題となっている、大会最序盤での棄権を減らすための新規則が施行される。新たなルールの下では、シングルス1回戦を途中棄権した選手は賞金を得られない可能性があり、逆に繰り上げ出場する選手へのインセンティブから、開幕前に出場を辞退した選手には賞金の半分が支払われる。

 1回戦だけでも多額の賞金がかかるグランドスラムでは、負傷ですぐに大会を去る選手が現れることが疑問視されており、特に2017年のウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2017)ではその点が問題になった。

 昨年のウィンブルドンでは、シングルスで8人の選手が1回戦を途中棄権。その中にはロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)やノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)とのセンターコートでの試合で、第2セットで棄権した選手もいた。

 フェデラーは「最後までプレーできないとわかっているならコートに出るべきではない」と話し、ジョコビッチは対戦相手のマーティン・クリザン(Martin Klizan、スロバキア)について、ふくらはぎのけがを抱えながら「コートに入らなくてはならない事情があった」と指摘していた。

 しかし、国際テニス連盟(ITF)が定めた新規則の下では、11日の現地時間正午から、組み合わせ抽選までの間に出場辞退を申し出た選手には、1回戦の賞金の半分が支払われる。残りの半分は、予選で敗退しながらも繰り上げで出場権が舞い込む選手、いわゆる「ラッキールーザー」が受け取る。

 逆に、試合の途中で棄権するなど、1回戦で「プロに求められる基準を満たさない状態」の選手には、1回戦の賞金と同額が罰金として徴収される場合があるという。(c)AFP