【1月11日 AFP】ドイツ・ブンデスリーガ1部のボルシア・ドルトムント(Borussia Dortmund)に所属するFWピエール・エメリク・オーバメヤン(Pierre-Emerick Aubameyang)の獲得に関心を示していた中国スーパーリーグ(1部)の広州恒大(Guangzhou Evergrande)だが、中国サッカー協会(CFA)から公然と叱責を受けたことで、同選手から手を引いたようだ。

 ガボン代表の点取り屋に対しては、広州と同じスーパーリーグの北京国安(Beijing Guoan)が獲得レースを繰り広げており、7200万ユーロ(約96億円)の値札を付けた広州が争いを制したと報じられていた。

 これに対してCFAは9日、2クラブの名前や選手名こそ出さなかったものの、「入札戦争に加担する」のはやめるようくぎを刺し、外国籍選手の加入に100パーセントの法外な税金を課す新規則は厳格に適用していくと警告した。

 すると広州もその後、こちらも選手名は出さずにオーバメヤンを狙っていることを否定し、2年以内に出場選手を中国人で固めるというクラブの目標を繰り返した。

 広州は声明で「われわれは強い決意をもって、多額の資金を使った国外選手の購入や、国外選手(の獲得)をめぐる競争への関与を差し控えるよう努めている。われわれは方針を転換し、現在は若手の発掘に重点を置いている」と話した。

 そして、昨シーズン7回目となる国内リーグ制覇を果たしたクラブは「2020年までに中国人でそろえたチームを作るという目標へ徐々に近づき、中国サッカーの安定的で、健全かつ持続可能な発展に寄与する」ことにまい進してきたと続けた。

 一方の北京はこの件について固く口を閉ざし続けているが、中国メディアの報道によれば、広州はオーバメヤンに対して北京の2割増しのオファーを提示したという。

 いずれにせよ広州の声明は、外国籍選手の大型補強の方針に歯止めをかけ、かわりに国内のタレントに投資させるという中国政府の狙いと完全に一致しており、オーバメヤンの移籍をめぐる交渉はこれで終わったように見える。

 広州は昨シーズン、アジア最高額となる6000万ユーロ(約74億円)の移籍金で昨年1月にオスカル(Oscar dos Santos Emboaba Junior)を獲得した上海上港(Shanghai SIPG)に勝ち点6差をつけてリーグ優勝を果たし、来季はイタリア出身のファビオ・カンナバーロ(Fabio Cannavaro)監督が復帰する。(c)AFP