【1月11日 AFP】106歳のフランス人サイクリストで数々の世界記録を持つロベール・マルシャン(Robert Marchand)さんが、競技から引退することになった。男性の友人らがAFPに明らかにした。ただ、今後も楽しみとしてのサイクリングは続けていく意向だという。

 マルシャンさんは昨年1月、パリ郊外サンカンタンアンイブリーヌ(Saint Quentin en Yvelines)の自転車競技場で、1時間でどれだけ走れるかを争う競技に挑戦。ほかの挑戦者はいなかったものの、22.547キロを走破し、105歳以上としての世界記録を樹立した。

 2014年にはこれを上回る26.927キロを達成し、100歳以上部門での世界記録を打ち立てていた。昨年8月には世界ロードレース選手権の105歳以上部門で優勝を果たしたが、ここでもライバルはいなかった。

 しかし、近所に住むクリスチャン・ブシャール(Christian Bouchard)さんは「主治医がこれ以上、彼が大きな労力を費やすのを望んでいない」と話し、現地紙ラ・マルヌ(La Marne)が先に伝えていた内容を認めた。

 もっとも、マルシャンさんは今でもパリ北東にある質素な自宅アパートでフィットネスバイクを数キロ分こいでいるという。

 1911年11月26日、フランス北部アミアン(Amiens)で生まれたマルシャンさんは、2度の世界大戦を生き抜き、消防隊員、農家、ワイン小売商、ボクサーなどさまざまな職業を経験。フランスの体操のチャンピオンに輝いたこともある。

 暇を見つけてはバックパッカーとしてベネズエラやカナダを回っていたというマルシャンさんは、十分な運動をし、「果物と野菜をたくさん」とり、コーヒーを飲みすぎず、たばこは一切やらず、「酒はほとんど飲まない」生活で自身の体を鍛え上げた。

 マルシャンさんの偉業はギネス世界記録(Guinness World Records)にも認定されており、世界中にファンがいる。(c)AFP