【1月12日 CNS】中国国家外国専家局は今月から、北京(Beijing)など9省・市で、高いスキルを持つ外国人が何度でも出入国できるビザ制度を実施している。ビザの発給対象の範囲や、有効期間をさらに拡大する。

 同局と外交部、公安部が共同で発表した「外国人人材ビザ制度実施弁法」によると、省レベルの外国人就労管理部門は、高度人材の条件を満たすと判断された外国人に対し、「外国人高度人材確認書」を発行する。確認書をもとに、在外大使館・総領事館で「外国人人材ビザ」を申請できる。有効期間が5〜10年間の、何度でも出入国できるマルチプルビザで、1回の入国で180日まで滞在が可能。またその配偶者と未成年の子どもも、同じ有効期間の家族滞在ビザを取得できる。

 外国人高度人材の対象となるのは、国が定める条件を満たしており、市場からのニーズが高い科学者や科学技術をけん引するトップレベルの人材、国際的な企業家、ハイテク技術者など。中国の経済や社会の発展に必要とされ、緊急に不足を補う必要のある専門的人材であればビザを申請することができる。

 確認書発行の「第1号」は、米マイクロソフト(Microsoft)アジア太平洋地域の人事担当ディレクター、サージアルムトゥル・ジョージ(Sajualumootil George)氏。ジョージ氏は、「ビジネスで頻繁に中国へ出張するので、今回ビザを取得できたことは本当に嬉しい。この制度によって出入国が便利になり、さらに多くの優秀な外国籍の人材が中国にやってくるだろう」と述べた。このほか、清華大学(Tsinghua University)が招へいした米国・南カリフォルニア大学のルシオ(Lucio)教授など2人が確認書を取得している。独シーメンス(Siemens)のジョー・ケーザー(Joe Kaeser)社長兼CEOも、中国国内にある国際企業の上級管理職として同ビザの申請中だという。(c)CNS/JCM/AFPBB News