【1月10日 AFP】米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)政権は9日、共和党のフロリダ州知事からの圧力を受け、同州沖での石油の採掘計画から除外すると発表した。

 トランプ政権は4日、同国沿岸の事実上全ての海域で石油採掘を容認する提案を発表したが、環境保護活動家や一部の共和党員から直ちに批判の声が上がっていた。

 トランプ大統領が掲げる「エネルギーの優位性」確保に向けた取り組みの一環である海洋採掘計画に早くから反対を表明していた共和党のリック・スコット(Rick Scott)フロリダ州知事は、採掘は同州の天然資源を脅かすものだと主張してきた。同州沖の海洋採掘計画をめぐる問題は長きにわたり超党派の支持も得ている。

 ライアン・ジンキ(Ryan Zinke)内務長官はツイッター(Twitter)に、フロリダ州は独特で、その沿岸部は経済の推進力としての観光業に大きく依存しているとするスコット知事の見解を支持すると投稿。さらに「フロリダ州を新たな石油やガスの採掘地候補から除外する」と述べた。

 内務省によると、この計画は「米国史上で最多件数の鉱区借用権契約」を提案するもので、連邦政府の管轄水域にある採掘可能な石油や天然ガスの98%の開発を可能にする。

 海洋採掘はテキサス州やルイジアナ州などのいくつかの州では、雇用と経済発展にとって重要として擁護されているが、その他の多くの地域では、環境被害や地元経済に対する観光業の重要性を理由に激しく反対されている。

 カリフォルニア州をはじめとする北東部の民主党寄りの州は海洋採掘を受け入れ難いとしているが、メリーランド州のラリー・ホーガン(Larry Hogan)知事やサウスカロライナ州のヘンリー・マクマスター(Henry McMaster)知事ら共和党の知事たちも海洋採掘をためらっている。(c)AFP