【1月10日 AFP】中国スーパーリーグ(1部)の上海申花(Shanghai Shenhua)を1年で退団し、アルゼンチン1部リーグのボカ・ジュニアーズ(Boca Juniors)へ復帰したカルロス・テベス(Carlos Tevez)が9日、入団会見に臨み、ボカ復帰の喜びを語るとともに、アルゼンチン代表への復帰と今夏に行われるロシアW杯(2018 World Cup)出場への意欲も口にした。

 イングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)やイタリア・セリエAのユベントス(Juventus)でプレーしたテベスは、今年2月で34歳を迎え、代表には2015年10月を最後に招集されていない。それでもテベスは「サッカー選手として過ごせる時間はあと数年だし、この年でW杯に出られたらすごくうれしいね」と話した。

 その一方でテベスは、上海申花でのぜいたくな、しかし悲惨な一年間を経て、今はただプレーできるだけでも幸せだと話しており、会見では「あと2年、ボカでのプレーを楽しみたい。それが最後にやり残したことだ。気分は良いよ。幸せなら楽しむのはずっと楽になる。そして今の僕は幸せだ」とコメントした。

 ダニエル・アンヘリチ(Daniel Angelici)会長は、テベスの再獲得に移籍金が必要なかったことを明かし「中国のクラブに感謝したい。彼らのおかげで、カルロスを戻すのが楽になった。ボカから中国へも、中国からボカへも、金銭的な補償はなかった」と話した。テベスも「上海と協力できたし、ボカから何かを差し出す必要はなかった」と話している。

 テベスは2017年1月に週給73万ユーロ(約9930万円)で上海申花に加入し、世界最高レベルの年俸を受け取る選手になったが、リーグ戦では負傷もあってわずか4ゴールにとどまり、チームが優勝した中国FAカップ(CFA Cup)決勝でも登録メンバーに入れなかった。

 ボカ復帰は「勝利であり、同時に敗北だった」という本人の言葉に、テベスの中国挑戦は集約されているようにも思える。しかしテベスは「後悔はない。こういう結果になることもわかったうえで中国行きを決めた」とも話している。

 テベスはボカでの最大の目標に、南米王者を決めるリベルタドーレス杯(Copa Libertadores de America 2018)の優勝を挙げた。過去に6回大陸を制しているボカだが、2007年を最後に同大会のタイトルからは遠ざかっており、「リベルタでプレーする責任は全員がわかっている。その重みを受け止めて、優勝を目指すべきときだと思う」と語った。 (c)AFP