【1月10日 AFP】2014年のソチ冬季五輪における国家ぐるみの薬物違反が指摘されたロシアで、国際オリンピック委員会(IOC)から永久追放の処分を受けた選手や元選手43人のうち、42人がスポーツ仲裁裁判所(CAS)に対して異議を申し立てていることがわかった。9日にCASが明かした。

 失格と追放の処分を受けた43人のうち、22人は昨年のクリスマス以前に訴えを起こしており、その中にはクロスカントリーのアレクサンドル・レグコフ(Alexander Legkov)やボブスレーのアレクサンドル・ズブコフ(Alexander Zubkov)氏もいる。2人はソチ五輪で金メダルを獲得したが、すでに剥奪されている。

 ズブコフ氏は五輪後に引退し、ロシアのボブスレー連盟の会長に就任している。ズブコフ氏はほかの複数の元選手とともにスポーツ団体から資格を停止されているため、大会や公式行事に出席することはできないが、残りの面々については、CASの裁定次第で2月の平昌冬季五輪に参加できる可能性がある。最終的な裁定は、1月中には下されるとみられている。

 永久追放となった43人のうち、訴えを起こさなかったのはボブスレーのマクシム・ベルギン(Maxim Belugin)のみとなっている。CASによれば、IOCから資格停止処分を受けているロシア五輪委員会(ROC)もCASに提訴しないことを決めたという。

 ソチ五輪のメダルランキングで、当初はトップに立っていたロシアだが、すでに33個のメダルのうち13個を剥奪され、ノルウェー、カナダ、米国に次ぐ4位に順位を落としている。

 ドーピングがまん延していることを理由に、ロシアは平昌五輪への出場を禁止されているが、潔白を証明できた選手については、厳しい条件の下、個人資格での参加を認められている。(c)AFP