【1月10日 AFP】中国国営メディアは9日、同国軍の房峰輝(Fang Fenghui)前統合参謀部参謀長が「贈収賄の疑い」で捜査を受けていると報じた。習近平(Xi Jinping)国家主席が進める大規模な汚職取り締まりで、またも軍幹部が摘発された格好だ。

 房氏は2012年からから統合参謀部参謀長を務めてきたが、今年8月に突如解任されていた。インドと領土問題をめぐって対立が深まっていた最中で、北朝鮮問題を協議するため米高官と会談した数日後のことだった。

 国営新華社(Xinhua)は、房氏が「贈収賄の疑いで軍検察当局に送致された」と報道。詳細については明かしていない。

 房氏は、昨年10月に開催された5年に1度の中国共産党大会の出席者に含まれていなかった軍幹部2人のうちの一人で、習氏の反腐敗運動で摘発されたのではないかという臆測が広がっていた。

 もう一人は、中央軍事委員会の張陽(Zhang Yang)政治工作部前主任で、汚職疑惑の軍元高官2人との関係をめぐって捜査を受けていた昨年11月に自殺している。

 中国では腐敗が長年問題となってきたが、識者の間では、同国が現在進めている反腐敗運動は習氏の権力掌握に向けた政治的粛清であるとの見方が多い。(c)AFP