中国疾病対策予防センターの姜垣(Jiang Yuan)主任によると、たばこ抑制の主な目的は若者と低所得者の喫煙率の減少だという。喫煙による健康被害が、最も多く集中している集団だ。

 長年にわたってたばこ抑制を支持している清華大学(Tsinghua University)の胡鞍鋼(Hu Angang)教授は、「低価格のたばこは貧困地区での消費量が比較的多い。農村の住民がたばこにかける費用は年収の17.3%で、都市部の8.8%よりも多い。喫煙による健康被害によって、貧困家庭がさらに貧困になるなどの悪循環を招いている」と話す。

 2015年の全世界の喫煙による死者は640万人で、その半数以上が中国(180万人)、インド(74万人)、米国、ロシアに集中していた。

 WHOの発表によると、中国では2014年、たばこが原因の疾患治療による直接的な損失は530億元(約9218億円)で、このほかに間接的な損失が2970億元(約5兆1658億円)あり、両者の合計は中国の同年の保健衛生関連支出の10.59%を占めた。

 たばこ企業と関連部門がたばこ抑制に対して消極的なことが、たばこの価格を上げる最大の障害なのではという懸念の声も一部にある。(c)東方新報/AFPBB News