【1月8日 AFP】ゴールデン・グローブ賞(Golden Globe Awards)主催者のハリウッド外国人映画記者協会(HFPA)は7日、「報道の自由」に対して高まる脅威と闘うべく、各国の記者らで構成する「国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)」と国際非営利団体「ジャーナリスト保護委員会(CPJ)」に合わせて200万ドル(約2億2600万円)を寄付すると発表した。

 米ハリウッド(Hollywood)の映画賞シーズンの幕開けを飾る第75回ゴールデン・グローブ賞の授賞式でHFPAは、国際的な汚職や職権乱用に関する調査報道を行っているICIJと、世界のジャーナリストの権利保護のため活動しているCPJに、それぞれ100万ドルずつ提供すると表明した。

 HFPAの代表を務めるインド出身のジャーナリスト、メヘル・タトナ(Meher Tatna)氏は、HFPAはエンターテインメント関連のニュースを報じるため設立された団体だが、記者たちが取材中に襲撃される事例が増えている点を憂慮し、ジャーナリストの擁護を協会の使命に加えたと説明。「アーティストとして、皆さんは果敢にも物語をつむぎ、われわれが他者の目を通して世界を見ることを可能にしてくれている。これらの物語は、私たちが生きたいと願う世界を映し出す最大の希望だ」と述べた。

 ICIJは、HFPAの寄付金が「情報開示と透明性に対する公共のニーズ」を支えることになるとコメントした。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が報道について「フェイク(偽)ニュース」だと絶えず糾弾する一方、紛争地で取材に当たるジャーナリストたちの身は数々の危険にさらされており、報道の自由がおびやかされているとの懸念が高まっている。

 今年のゴールデン・グローブ賞には、ベトナム戦争(Vietnam War)に関する米国防総省の極秘文書をめぐってリチャード・ニクソン(Richard Nixon)大統領に立ち向かう米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)のジャーナリストたちの奮闘を描いたスティーヴン・スピルバーグ(Steven Spielberg)監督の映画『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書(The Post)』が作品賞ドラマ部門にノミネートされていた。(c)AFP