【1月8日 AFP】イスラエルの考古学者らは7日、テルアビブの北東ジャルジュリア(Jaljulia)の幹線道路に近接した場所の地下わずか5メートルで、およそ50万年前に「楽園」のような役割を持っていたと思われる場所を発掘したと発表した。

 考古学者らはこの場所について、小川が流れ、植物が生い茂り、多くの動物たちが生息していたと考えられることから、先史時代の狩猟採集民にとっては楽園のような場所だったと指摘している。

 イスラエル考古学庁(IAA)によれば、ジャルジュリアと、同国で最も交通量の多い幹線道路の一つである6号線に挟まれたこの場所では、地域で持ち上がった建設計画を進める前に考古学的な承認を得る必要があることから発掘作業が行われていた。

 発掘作業に参加していたテルアビブ大学(Tel Aviv University)考古学部のラン・バルカイ(Ran Barkai)主任教授は声明で、「信じられないことだが、ジャルジュリアと6号線の間の地下5メートルの場所に、およそ50万年前の古代風景が驚くべき状態で保存されていた」と述べ、「当時の人々にとって、ここは楽園のようなもの。だから、ここを何度も訪れたに違いない」と続けた。

 IAAは、先史時代の人類がこの地域を季節的周期で定期的に訪れていた可能性があると指摘している。

 IAAはさらに、発掘作業中にフリント(火打ち石)製の手斧が多数見つかったことも明らかにしている。現場は、現生人類の直系の祖先であるホモ・エレクトスとも関係の深い場所とされる。(c)AFP