【1月5日 AFP】中国の習近平(Xi Jinping)国家主席は3日、自国軍に対し、アジアにおける地政学的な緊張が高まる中、戦備を整え、国家防衛に当たっては死を恐れてはならないと激しい言葉で訓示した。

 国営新華社(Xinhua)通信によると、習主席は同国北部の河北(Hebei)省に置かれた人民解放軍の中部戦区を視察した際、数千人規模の兵士らを前に、「苦難も死も」恐れてはならないと演説。

 さらに、ハイテク兵器の研究を強化して「実戦訓練」を実施するよう促し、「新時代の共産党および国民から課せられる任務を遂行するため、常に戦備を整えて臨戦態勢を取り、必ず勝利できる強力な精鋭部隊の創設」を求めたという。

 世界最大の軍隊に対する習氏の訓示内容は、翌4日夜になって公表された。国営メディアは、習主席から全軍へ向けられた異例の演説と報じている。

 習氏は昨年10月の中国共産党大会で、過去数十年間で最も強力な指導者としての地位を固めた。今回の演説や、多数の兵士や戦車を前にした画像には、絶対的指導者という新たに打ち出したイメージを強化する狙いがあるとみられている。(c)AFP