【1月5日 AFP】米司法省は4日、マリフアナの販売合法化に向けて盛り上がる全米規模の動きに寛容だった政府の方針を覆した。

 バラク・オバマ(Barack Obama)前政権は、マリフアナをヘロインと同様の危険薬物として扱っている連邦法の執行を阻止する5つの覚書を発表したが、今回、ジェフ・セッションズ(Jeff Sessions)司法長官がこの覚書を撤回した。

これにより、既にマリフアナ販売を合法化している6州(コロラド、ワシントン、オレゴン、ネバダ、アラスカ、カリフォルニア)と衝突する恐れがある。このうちカリフォルニア州は3日前に嗜好(しこう)用マリフアナの使用を公式に認めたばかり。またマサチューセッツ州も年内の販売合法化を予定している他、メーン州でも販売合法化をめぐる議論が進行している。

 マリフアナ合法化を支持する団体「マリフアナ・ポリシー・プロジェクト(Marijuana Policy Project)」は司法長官の方針転換について、違法売買を助長し、医療用マリフアナの使用者にとって害になるだけだと反発している。

 医療用マリフアナの使用は米29州で合法化されている。同団体のマット・シュヴァイヒ(Matt Schweich)暫定事務局長は「州レベルのマリフアナ法に対し、連邦政府が介入すべきかどうかを決定する権限はもはや司法長官(セッションズ氏)にはない。われわれは議会の対応を真に必要としている」と語った。

 セッションズ氏は強硬なマリフアナ自由化反対派として知られている。だが2017年1月、司法長官に指名された後の承認公聴会では、嗜好用マリフアナ使用者に対する連邦法の執行は、司法省の人的資源の活用法として最適ではないという考えをほのめかしていた。

 一方、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は、2016年の大統領選の期間中はマリフアナに対し、より寛容な立場を取り、マリフアナ合法化問題は各州の判断に任せるという方針を複数回発言していた。しかし大統領就任後はこの問題について沈黙し、セッションズ長官の厳しい取り締まり方針を支持するようになった。(c)AFP/Paul HANDLEY