【1月4日 AFP】インドの身分制度カーストの最下層「ダリット(Dalit)」の出身者らが3日、ムンバイ(Mumbai)でヒンズー至上主義者らの暴力に対する抗議デモを行い、道路や線路を封鎖するなどした。

 デモに参加したダリットの人々はバスを破損したり交通の妨害をしたりした上、線路上を行進するなどしたため、金融の中心地であるムンバイの重要なライフラインとなっている列車には遅延が発生した。警察当局はこのデモで100人以上の参加者を逮捕したという。

 学校や商業施設の中には警戒して一時的に閉鎖するところもあり、ムンバイで有名な弁当宅配業「ダッバーワーラー(Dabbawalas)」も営業を停止した。

 デモは、西部マハラシュトラ(Maharashtra)州プネ(Pune)で1日に行われた「コーレーガーオン(Koregaon)の戦い」200周年の記念式典における暴動で1人が死亡したことを受けて行われた。コーレーガーオンの戦いは1818年にダリット出身者らが英国軍を支援してカースト指導者層を破った戦闘である。

 ダリットの指導者らは、ムンバイがあるマハラシュトラ州各地に広がった暴動をヒンズー至上主義者らが扇動したと非難。一方、州政府は暴動に関して司法調査を行うよう命令を出している。(c)AFP