【1月3日 AFP】パキスタン政府は2日、同国への資金援助停止を示唆したドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領のツイッター(Twitter)投稿について、「全くもって理解不能」と怒りもあらわに一蹴した。両国の不安定な同盟関係は、今回の外交対立でまたも揺らいでいる。

 パキスタン首相府は国家安全保障会議後に出した声明で、トランプ氏の投稿に対する同国政府の見解を初めて公式に表明。「米指導部による最近の発言は、事実と明らかに矛盾しており、全くもって理解不能だ」と述べた。

 トランプ大統領は1日、ツイッターへの今年初めての投稿で、「米国は過去15年にわたり、パキスタンに330億ドル(約3兆7000億円)以上の援助を愚かながらも行ってきたが、彼らが返してきたのはうそと偽り以外の何物でもなかった。わが国の指導者を愚か者と思っている。パキスタンは、われわれがアフガニスタンで追っているテロリストをかくまっている。もうたくさんだ!」と書き込んでいた。

 パキスタン側は、過激派との戦いで2003年以降に6万2000人以上の命を犠牲にし、1230億ドル(約13兆8000億円)の代償を払ってきたと主張しており、トランプ氏が出した330億ドルという数字に異議を唱えている。

 パキスタン首相府の声明には、「これほど心なく何もかもを金銭的な価値の陰に押しやって、パキスタンが払った大きな犠牲を矮小(わいしょう)化することはできない。そして、この数字も想像上のものだ」と記されている。

 パキスタンのハワジャ・ムハンマド・アシフ(Khawaja Muhammad Asif)外相もツイッター上でこの数字をやゆし、トランプ氏は「パキスタンの経費で」米監査事務所に調査を依頼してはどうかと提案した。(c)AFP/Nasir JAFFRY