■「ほかに方法ない」

 石油会社で働くナセル・ハラフ(Nasser Khalaf)さん(52)は「破壊したり火を放ったりするのを好んでやっている人はいないと思う。ただ、それしか自分たちの声を聞かせるすべがない」と語る。ハラフさんの20代の息子2人も失業中だという。

 イランは、1979年の革命に伴う混乱、1980年代の8年に及ぶイラクとの悲惨な戦争、そして現在も続く米国による制裁と、何十年にもわたって苦境に耐えてきた。しかし、国がそれに報われていないというのが多くの国民の実感だ。

「40年を経て、人々はあらゆる苦難が無駄だったことに気がついた」。看護士のアルヤ・ラハマニ(Arya Rahmani)さん(27)はそう語る。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は1日、「変革の時だ!」とツイッター(Twitter)に投稿するなど、イランでの反政府デモへの支持を繰り返し表明している。しかし、イラン国民の間では冷笑されている。

「口先だけの支持なんて役に立たない」とラハマニさん。「彼は豪邸に住んでいて、私はここで不自由な状態に置かれている。トランプに何ができるというの?」(c)AFP