【1月2日 AFP】メリル・ストリープ(Meryl Streep)さんやジェニファー・ローレンス(Jennifer Lawrence)さんらハリウッド(Hollywood)のトップ女優を含む業界関係者ら300人余りが1日、一般の職場にまん延するセクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)の撲滅キャンペーンを開始した。特に、ブルーカラーの職場で働く「妹たち」への配慮を呼び掛けている。

 米国では映画界の大物ハーヴェイ・ワインスタイン(Harvey Weinstein)氏のセクハラスキャンダルを機に、娯楽や政治、メディアといった各業界でセクハラ疑惑が噴出。著名人や要人らが次々と辞任や降板に追い込まれている。こうした状況を受け、企業や政府機関、さらには連邦裁判所までも、ハラスメント対策の見直しを余儀なくされている。

 しかし、女優らが始めたキャンペーン「タイムズ・アップ(Time's Up)」は米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)に掲載した全面広告で、農業などそれほど華やかでない仕事に就き、セクハラなどの被害を受けやすく声を上げづらい人たちにも支援と配慮をするよう訴えている。

 タイムズ・アップには、エマ・トンプソン(Emma Thompson)さんやケイト・ブランシェット(Cate Blanchett)さん、ナタリー・ポートマン(Natalie Portman)さんら女優のほか、プロデューサーやバラク・オバマ前政権の関係者らも名を連ねている。300人余りの全員が女性。

 タイムズ・アップは広告で「ハリウッドで働く人たちの告発を報じるメディアに対して、同じくらいの時間をかけて、もっと地味で安定してない職場で働く人たちが受けている数えきれない経験も報道することを強く望みます」と述べている。

 タイムズ・アップは、職場でセクハラや性的暴行、レイプの被害を受けた男女を法律面で支援するための基金を設立。目標額は1500万ドル(約16億9000万円)だが、わずか12日間で1340万ドル(約15億円)が集まったという。

 キャンペーンでは今後、職場でのハラスメントや差別に関する法律の厳格化に向け、働きかけを行っていくことにしている。(c)AFP