【1月1日 AFP】(更新)北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長は1日の新年の辞で、2月に行われる平昌冬季五輪に代表団を派遣する可能性があると言及した。北朝鮮の核・ミサイル開発問題で朝鮮半島の緊張が高まる中、同国が冬季五輪に参加する可能性を示したのは初めて。

 金委員長は、韓国政府や五輪組織委員会が「平和のオリンピック」とうたっている平昌冬季五輪について「代表団の派遣を含め、必要な措置を取る用意がある」と述べた。

 平昌冬季五輪に先立ち、韓国との関係を改善する必要があるとの認識も明らかにした。

 また、平昌冬季五輪について「われわれ民族の品位を誇示する良い機会になる」「大会の成功を心から願っている」などと述べ、韓国側に対し、和解の申し出とも見れる姿勢を示した。しかし、その一方で、戦争であれ平和であれ不安定な状況が続けば五輪の成功は保証されず、協議を行ったり、統一に向けて前進したりすることもできないと述べた。

 北朝鮮からはフィギュアスケートのペアが平昌冬季五輪の出場資格を得ていたが、昨年10月30日の期限までに国際スケート連盟(ISU)に出場意思を示さなかった。しかし国際オリンピック委員会(IOC)の推薦枠による出場の可能性は残されている。

 その一方、韓国・ソウルにある北韓大学院大学(University of North Korean Studies)の梁茂進(ヤン・ムジン、Yang Moo-Jin)教授はAFPの取材に対し、金委員長が自ら北朝鮮の五輪参加に前向きなコメントを出したことは注目に値すると述べ、これにより北朝鮮が選手団を派遣する可能性は80%を超えたとした。

 韓国の文在寅(ムン・ジェイン、Moon Jae-In)大統領は先月、米国に対し、毎年この時期に行っている米韓合同軍事演習を平昌冬季五輪の閉幕後まで延期することを提案している。(c)AFP