【12月31日 AFP】ロシアのセルゲイ・リャブコフ(Sergei Ryabkov)外務次官は30日、米国による陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア(Aegis Ashore)」の日本への売却は核戦力全廃条約に反するものだとして米国を非難した。

 リャブコフ外務次官はロシア外務省のウェブサイトに掲載された声明のなかで、「米国はわが国の西側国境近くにあるルーマニアとポーランドの米軍基地に(ミサイル防衛システムを)配備しているが、これはこのようなシステムの地上配備を禁じた1987年の中距離核戦力(INF)廃棄条約に違反している」と前置きしたうえで、「こうした設備が実際にロシアの東側国境にも存在するとなれば、わが国の軍事計画において無視できない状況を生み出すことになる」と警告した。

 これに先立ちロシア外務省のマリア・ザハロワ(Maria Zakharova)報道官も28日、日本のイージス・アショア導入決定について「(北東アジア)地域に確実な平和と安定を築く努力に反するものと捉えている」と述べ、日ロ関係に負の影響をもたらすとし、ロシア政府は「深い遺憾の意と深刻な懸念」を抱いていると付け加えた。

 日本政府は19日、核およびミサイルの脅威を増大させる北朝鮮への対応として米国製の陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の2基導入を閣議決定していた。(c)AFP