【12月30日 AFP】警察に扮(ふん)した男らによって米ボストンの美術館からオランダの画家レンブラント(Rembrandt)やオランダ絵画の巨匠ヨハネス・フェルメール(Johannes Vermeer)の作品が盗まれてから30年――。米国史上最大規模とされる美術品の盗難事件を解決するため美術館側は懸賞金を一時的に2倍の1000万ドル(約11億3000万円)に引き上げたが、増額分が支払われるのは31日までとなっている。期限が間近に迫る中、作品回収につながるような有力な情報はまだ寄せられていないようだ。

 イザベラ・スチュワート・ガードナー美術館(Isabella Stewart Gardner Museum)の警備担当責任者を務めるアンソニー・アモーレ(Anthony Amore)氏は、盗まれた美術品13点の発見につながる情報が電話や電子メールで寄せられないかと、ひたすら電話とパソコン画面の横で待機している。

 アモーレ氏は「次の電話か電子メールが美術品の発見につながるかだって?私は常に期待しているよ」と語った。

 美術館によると、1000万ドルは「民間の懸賞金としては過去最高額」という。

 盗難事件は1990年3月18日未明に発生。男らは警備員2人に手錠をかけて地下に拘束した後、81分間に作品13点を盗んだ。その中には、レンブラントの作品3点、フェルメールの作品1点、フランスの印象派の画家エドガー・ドガ(Edgar Degas)の作品5点も含まれており、被害総額は5億ドル(約560億円)以上に上ると考えられている。

 美術品を所持していた場合は罪に問われるが、検察当局は以前、免責になる可能性があるとの情報を流し、所有者からの申し出を促したことがある。(c)AFP